KDP(電子出版)のメモ 急急如律令

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液晶とマウスを分解して仕組みを調べる

 液晶の分解

 液晶ディスプレイはLCDともいわれ、リキッドクリスタルディスプレイ (liquid crystal display)と、わりと直訳である。liquidは液体でcrystalは結晶を合わせて液晶となる。実際の電子機器を分解して説明するような電子書籍でも作ったら売れるのだろうかと思っていたがどうなんでしょう。

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 液晶ディスプレイは高電圧がかかっており分解中に感電すると死亡や大やけどしたりにするので真似をしないでください。電気柵での事故で変圧して高圧にしていたが、この液晶はCCFLを光らせるために高電圧にしているので、似たようなことが起こるかもしれない。なので、良い子も悪い子も真似しないでください。

 電気工学の勉強をしていて、液晶の原理自体は知っているし電気の資格もっているので試してみようと思った次第です。分解したいなと思ってはいたが実際に分解して中身を見るということはしたことがなかった。今までに分解したことがある家電製品VHSデッキ、掃除機、蛍光灯、扇風機、パソコンやノート・パソコンなど、電気製品は壊れた時に分解して治せるかどうか試してから捨てるというようにしているので、何かしら分解しております。液晶ディスプレーは高電圧なので、電気工学を勉強していた時にも避けていましたが、インバータの勉強したり、電気の資格をとったりしているうちにCCFLの液晶ディスプレイがだんだん減ってきたので、CCFLの液晶ディスプレイを分解できるのは今が最後かなと思って分解してみることにしてみた。ブラウン管ディスプレイはさすがに分解する気は起きなかった。電子銃を使っていて分解するのが非常に危険そうだし、回収業者に断られそうなのでやめるよ。 

液晶の方式

 

TFT液晶、TN、VA、IPS型

TFTとはthin film transistor 薄膜トランジスタでこのへんは色々ありので説明する気になれない、分解したからってわかるわけでもないので他に譲る。

www.eizo.co.jp

 

バックライト方式

 液晶ディスプレイの構造自体は単純で後ろから光を当てて液晶で遮り、液晶前面のカラーフィルターで色を制御することで光と色をコントローすることができるようになっている。液晶は偏光膜を用いて光を制御するので発光した光の50%以下しか使われないので効率が悪いと言われています。比較対象としては自発光型の有機ELディスプレイ等と比べた場合。

 その後ろから当てる光は現在はLEDが主流になっているが、以前はCCFL(または冷陰極管)という蛍光灯のようなものが使われてた。今回分解したのがCCFLです。CCFLはインバータを用いて発光させるがその時に高電圧にするので分解は危険である。CCFLとインバーターはよく壊れるので、ネットでよく売っています。

 

この写真の細い棒のようなものがCCFLです。液晶の上と下に2つついていますが、液晶の大きさによって違います。

 また液晶自体にも、光を遮る部分を高速で切り替えるために高電圧を利用する場合があるのでどちらにしても危険ではある。

 

バックライトの照らし方

 バックライトはエッジライト方式と直下型方式があって、エッジライト方式では隅の方に発光源があり、導光板(光を導く板です)を通して光が広がるようにしています。

 導光板というのは、曇った空では全体が光っていて太陽の位置がわからなくなるようなもので雲が導光板に例えることができる。導光板は光を点から面へと拡散させることができます。

 直下型方式では、液晶の背面に光源が並んでいて直接的に照らす。その場合でも導光フィルムを用いて面全体に光が広がるような構造になっています。

 

分解開始

 液晶を分解するのにネジが多くてしんどく、ツメをかましてあるのでそれを取り外すのがさらに厄介である。ツメを外すのに、マイナスドライバーですると傷が入ってしまうので、アクリルかプラスチックのもので行なったほうがいいみたい。

 溝の部分にアクリル物差しを当ててゴムハンマーで叩いて開いてみました。爪の部分をマイナスドライバーで押し当てると開いていく。

 

 液晶ディスプレイの背面カバーを外すと金属で覆われた部分が初めに見えます。その下に基板が取り付けられている。大きい基板と小さい基板が取り付けられている場合がある。小さい基板はインバーター基板の可能性がある。インバーターがあるのは、CCFLだけで。LEDの場合はLED用の制御回路があるかもしれませんがLEDも一体の基板に成っている可能性もあります。たぶんこの写真のがインバーター基盤です。

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 液晶ではACアダプタが外付けの場合には、ディスプレイ本体に整流回路が入っていないが本体に整流回路が付いている場合もある。その場合には、きちんと放電しないと分解中に感電してしまう。放電はコンセントを抜いてから、電源スイッチを押したり、半田ごとにプラグをつないだりする。もちろん回路部分を触る前に、テスター等できちんと放電ができているかをチェックする必要がある。

 

 修理するためには、どうしても通電しながらどこに電気が流れているかを確認する必要が出てくる。そうすると単なる分解をして確認するよりも感電する可能性が高まってしまうのでやらないほうがいい。

基板と本体の分離

 液晶の裏側に付いている基板で、液晶に信号を送って制御しています。この液晶ディスプレイは特殊で、ペンタブレット機能がついています。そのために、液晶制御のための信号以外に、ペンタブレットのペンの位置を調べる回路もついています。

 タッチ機能

 タブレット端末では、手で触って操作することができる。iPhoneキンドルもそうやって操作していますよね。そのセンサー方式に抵抗膜方式と静電容量方式などの方法がある。ペンを使ったいわゆるデジタイザの場合には電磁誘導方式というのがあります。

 今回分解するのは電磁誘導方式です。電磁誘導方式では、電磁誘導によりペンに電気を送るのと、ペン側に感圧センサーがありペンで画面を振れる圧力を検知することができる。そうすることで筆圧を読み取ることが可能になっている。

 液晶本体に冷陰極管に刺さっていてそのコードがインバーターがつながっている。

それをさらに分解すると、バックライト、導光板、導光フィルム、液晶セルがある。

 当初分解して故障箇所を特定して、インバーターが原因だったらバックライトをLEDにしようと考えていた。頭のなかに設計図とどこで購入するかまで考えていた。分解中に事故が発生して液晶セルにつながるフレキシブルケーブルを破損してしまった。そのフレキシブルケーブルは液晶セルの制御信号が流れているので、壊れると液晶画面が映らなくなってしまう。完全に壊れ散った、あーやっちまったなー。

 

 CCFLがバックライトの液晶ディスプレイはディスプレイ自体の破損していなければバックライトの故障が原因であることが多いので。むかしは、バックライトLED化が流行っていた時期もあったそうである。なぜそれが無くなったかというと、LEDを使った液晶が安くなって、わざわざ好き好んで改造するよりも買ったほうが安くなったから。

 それでもCCFLを交換する人もいます。CCFLは液晶ディスプレイに使われている通り、普通の蛍光灯よりも寿命が長くなっている。CCFLが5万時間でLEDが4万時間といわれているのでCCFLのほうが寿命が長いともいえるが。LEDはつけたり消したりするのに弱いのと。消費電力が高く熱を持ちやすいので設計が難しいのだろうと思う。LEDが出た当初は色味がおかしくて、液晶ディスプレイに適さなかったけれど、だんだん改良されるにつれて、あまりこだわらなければLEDで大丈夫になった。

 

 CCFLをLED化するときに気を付けるのが部品があるかという問題である。

最近は省エネのためなのか照明をLED化することが有り。ACアダプタとLEDテープが売られています。それを利用するとLEDが可能となっている。

 LEDは蛍光灯と発光方法が違うので回路がだいぶ違ってくる。一般に売られているLEDテープは12Vの直流電源に電流制限抵抗がついている。電流制限抵抗はLEDに流れる電流を制御して、LEDが壊れないようになっている。

 LEDと電球を比較してみると次のようなところが違う。LEDは発光ダイオードと呼ばれ半導体である。発光ダイオードは温度が高くなると抵抗値が下がり、抵抗値が下がると流れる電流が大きくなり発熱が大きくなり温度が上がる。これを繰り返して基板が溶けたり炭化したりするので設計が難しくなる。

 電球の場合ははじめは抵抗が低くて大きい電流が流れ温度が高くなるに連れて抵抗値が上がり、流れる電流が少なくなって安定した光になる。

電気製品を分解する意味

 最近の家電製品は集積度も高くて手作業で修理することが難しくなってるので。基盤をごっそり取り替える形になる。そのために、どのような仕組みで電気製品が動いているのかが非常にわかりづらくなっている。壊れたら壊れた部品を取り替えるよりも買い換える。ただ、電源部分は電力消費量が大きいので集積回路にするのが難しく、使われている部品や回路を読み取ることは比較的やりやすい反面、流れている電圧や電流が大きいので感電すると大事故につながる。

 なので、自分で分解するのが危険で、代わりに分解するのを見てこんな仕組みで動いているのかを観てくれればと思う。

 バブル時代(1980年代後半から1990年代)に作られたVHSデッキとDVDやブルーレイが普及しだして、VHSが片隅に追いやられだした時代では使われる部品の大きさがだいぶ違っています。それだけ部品の集積化が進んでいるということです。

 

マウスの分解

 最近のマウス光学式ばかりが増えて、ボールが付いているのがなくなってきています。ボールが付いているマウスが無くなる前に、どういう仕組なのかを見ておこう思って分解して見ました。

 マウスがどのように上に行ったり下に行ったりといった動きを読み取っているのか。用語で言うとロータリーエンコーダーという回転を変換するという意味だ。

第114回 改めて知るその機能性 −マウスの進化−|テクの雑学|TDK Techno Magazine

これが一番下側のボールとホイールの部分。

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その上に乗っかっている基盤の部分。電池タイプなのでばねがある。

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四角いのに赤いのが付いているところがスイッチで、クリックすとカチカチなる部分です。そのスイッチの中央の間にマウスのホイールが来ることになる。

 その中央の青いのが赤外線LED、その反対が赤外線センサになる。リモコンの先端分と受光部にも似たようなのがある。

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その間の部分に入るのがこのホイールになっている。

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マウスの手で押す部分を裏がわかる見るとこうなっている。メーカーにごとに違うかもしれない。

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 実際に基盤をかぶせた場合にはこうなります。

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この部品はマウスの中ボタンをクリックした時にスイッチを押す部品です。針金の部分は、下のローラーの中央の溝にあたってカチカチと音が鳴りながら止まる仕組みになっている。

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このローラーの溝は、光を遮ったり、通過させたりすることで回っているのか止まっているのかを読み取っています。これだけではどっちに回ったかがわからないように思うかもしれないが、実際はセンサーを二個使っていて回転方向も把握しているようです。

下のサイトのマウスの動作原理からわかる。

第114回 改めて知るその機能性 −マウスの進化−|テクの雑学|TDK Techno Magazine

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はてなで分解記事は少ないかな。

ビデオデッキから部品取りしよう - ないならつくる