著者が銃弾に倒れてなくなっているのはニュースでも知られていることではある。youtubeなどで砂漠化した土地を緑にした映像は何度かみていた。だけど、その技術的なバックグラウンドがどうなっていたのかは映像だけではよくわからなかった。
水路建設がメインの話なので土木技術になるのだが、現代の技術とは少し違っている。斜め堰という江戸時代に作られた取水に関わるもので、単純に水を取るだけではなく水量を調節する。洪水の時に水を多く取らないようにすると言った考えでできている。
単純に重機とコンクリートでできているわけではなく、現地の人が維持可能なレベルにまで落とし込んでいる。途上国支援ではじめの数年はいいが少し経つと誰も使われなく、維持できなくて荒廃してしまう。現地で可能だから維持されると言えるのかもしれない。
水路建設にかかった費用の内訳や計画、技術が詳しく載っている。3億円の支援で、現地の人を雇い、砂漠化した土地を緑に変えてきた。
土地が砂漠化したのは気候変動を要因とおいているが、そうだとは断言できないと思っている。
アフガニスタンのイメージは「怒りのアフガン」が思い浮かんだが、アメリカの軍人から機銃掃射を受けているのがアフガニスタンの人である。
水路を建設するときに説得する言葉が印象に残っている。人を動かす言葉とはこういうものなのだろうか。
「毎日数百人の子供がなくなっている。更に多くの人が水不足のために病気になっている。私達の目的は唯一つ、自分たちで食べていけるようにすること。この用水路の建設にアフガニスタンの未来がかかっている。」
アメリカがイラク戦争に費やした費用が3兆ドルとも6兆ドルとも言われている。日本も30兆円ほどをつぎ込んでいるようだ。成果は得られたのだろうか、アフガニスタンでは和平合意で撤退を開始するようだが。